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■制作日記■ 入山杏奈から引き続き、顔の立体造型を定着させるために生駒里奈を制作します。 2014年11月25日 顔のベースを作る 100円ショップで買ったおゆまるというねんどで、あんにんの顔を複製します。 最近このねんど、作いすぎて粘着力が落ちています。半永久的に使えるものと思っていましたが新しく 買ってこないと。このねんどは今のところキャンドゥでしか見たことはないので残りを買占めようかと 思っている。この前見たら残り3個だった。売り切りの商品のような気がする。ヤバイ。
ベースとなる状態です。スケールを統一しているわけではありませんが、あんにんの顔を基本にして、そ れより若干小さくしています。横に置いて顔がデカいのもイヤなので。 前回のあんにんは頭部のバランスを失敗したので、今回は髪の毛の配分も考えて頭部を作りました。
細部を見てしまうと全体像が見えなくなってしまうからです。違っていたら後で直します。
おでこから頭頂部にかけての角度、目の位置と大きさ、鼻の角度と高さ、アゴの出具合、耳の大きさ形、な どです。口はそのままあんにんからの移植ですが、どうするかはまだ決まっていません。もしおすまし口に なるなら、顔の表情筋も形が変ります。
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〇2014年11月28日 顔作りの続きです。 微妙にいじってます。目とエラを修正しました。目玉を作りました。
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〇2014年12月15日 ほぼ顔の造型が終りました。 あんにんが終り、ここから生駒ちゃんの本格始動です。
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〇2014年12年15日 色々材料を買ってきました。 まずはこまちゃんの修正です。
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〇2014年12月19日 造型部分がほぼ終りました。 まずは首の制作です。
特にこまちゃんを想像できるというポーズはないです。 そんな中で画像をチェックしていると、首がとても綺麗なことに気が付きました。モデルのように長い首と いうわけではないですが、アゴを上げたときの流れるラインがとてもいいです。人体的には鎖骨の角度が影 響してると思われます。 目玉を複製します。
人間の目て、まぶたや涙袋などのパーツもあわせて、顔の正面についている。顔て全体的には湾曲し てます。それにそって目が付いてると考えてしまう。でも実際は目の周りだけ平らな板の上に付いて いるような状態になっている。 このこと自体は判っていましたが、自分がやる人の顔のディフォルメの目は、通常より大きくした分 スペース上、顔に対して斜めに付いていた。もちろん全体として違和感が無いように処理したつもり である。今まではそのこと自体には気にもしていませんでした。 ですが今回目玉を球体にしたことでその問題点が露呈してしまいました。 目が斜めに付いていても、球体ははまりますし光も同じところにきます(これは前回あんにんで指摘し たもの)。ですが目の中の左右の瞳の同じ位置に光がこない。これ、ものすごい大事なんです。 その理由と対処法を色々考えた結果、通常の人間通りに正面に目を付けないとダメということになり ました。 もう作り直しです。他の部分とのバランスやこまちゃんに似せるためかなり苦労して直しました。 目を正面にはもってこれましたが、こまちゃんに見えるかは以前よりは自信はないです。 ちなみに目玉に棒が付いているので、視線移動が可能なのではと考えますが、人の表情や視線の移動 はとてもハードルが高く、それこそ不気味の谷問題の中心テーマ(オレ研究)だったりします。違和感 なくするのはムズかしいです。 そんなこんなで今の状態です。
それでこまちゃんの顔です。
からの脱却が、グルグル回って戻ってきてしまった予感がします。実際塗装をして完成させない と何ともいえないのですが、あんにんで得た自信は今はありません。しかしいつでも問題が起き ます。それを克服することで糧になるのはわかるがキツイです。 あと頭と顔と首のバランスですが、髪の毛のボリュームでこまちゃんのバランスになるように作っ てあります。上手くいっているかはわかりませんが。 |
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〇2014年12月21日 サフ作業に入りました。 造型のほうはこれ以上やっても形が見えてこないので、サフを吹き全体像の確認をします。
白目を入れた状態です。
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〇2014年12月24日 塗装しました。
眼球が球体で光の位置がどうのといってきましたが、左右の瞳の同じ位置に光がくる仕組みが、 眼球の上に薄っすら出てるレンズに映る光ではないかとも思い付き、もう何が何だかわからなく なりました。 眼球の位置、目の開いている位置、瞳の位置、これら全てが一致してはじめて人の目として機能 します。これを模型で再現は不可能です。少なくとも今の自分の技術では無理です。 ということで念頭に置きながら作りはしますが、あまり細かいことは気にしないことにしました。 パッと見た目に違和感がなければ良しとすることにしました。 目玉の制作ですが、細吹きのエアブラシがない以上、できるもので仕上げます。 実際に目として見えている部分はほんの一部です。隠れてしまう部分はちゃんとは作っていません。 瞳の黒はガンダムマーカー、その外輪を細吹きがあればボカシたい。その横の赤もあきらめて筆 でやってますが、本来なら細吹きでしたいです。 現在乾燥中です。クリアーは乾燥したと思っても内部が乾燥していない場合が多く、今目を入れ たら絶対に傷がつきます。なのではめた状態の画像は今回無しです。 こちらはウィグの基になります。
黒い羽二重を作ります。塗装が面倒くさいので黒画用紙で作りました。後頭部にある出っ張り で羽二重を支えています。 この羽二重に髪の毛の束を貼り付けていきます。 こまちゃんの塗装が終りました。
もっと大きいです。でもまあ、ここで見せたいものはとらえています。 目玉を着けた状態は、自分でいうのもなんですが、いい感じに仕上がっています。こまちゃんぽく 見えます。 今回もあんにん同様、模型の立体の陰影に頼らず、全て絵として描きました。 眉毛は今回タミヤのスミ入れを使い筆で描きました。あと細吹きが必要なところは、塗った部分の リンカクをうすめ液でボカシて、更に薄い色で整えるかたちでいきました。ムリにブラシを吹いて 失敗するのは恐いので。 全部塗装して違和感を感じました。今回、自分の作った立体と実際のこまちゃん本人の光と影が同 じにならないことがずっと気になっていました。何か立体の認識に大きなミスがあるのではないか と。 色々考えた結果、こまちゃんの肌質が他の娘と違うことがわかった。パッと見た目特に違う感じは しないが、こまちゃんの肌は光を全部吸収して反射しないことがわかった。つまりテカリがないの です。東北人の特徴なのかこまちゃん独自のものなのかはわかりませんが、モチ肌?、白い肌?、の 類なのでしょうか。 それじゃということで、フラットベースを吹いて全部光を消してみました。するとどうでしょう。 自分のイメージしているこまちゃんにグッと近づきました。気になっていた光と影も同じになりま した。仮説を立てて、実験をして、立証する。とてもエキサイトしました。また研究ノートに新た なページが加わりました。 |
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〇2014年12月26日 ウィグ制作に入ります。 完全に実験です。ドールのウィグの知識はありませんし、この毛が同じ材質かわかりません。よって 同じ効果が出るかわかりません。
すと端からほつれてしまいます。なので端を瞬着で固めて解れないようにし ます。 その後透明のボンドで羽二重に貼り付けていきます。 上の画像は結果的に実験失敗で作り直します。3回失敗しました。 こちかが成功例です。今のところですが。
めるのに思いつく限りの方法を試しました。 まず髪の毛をカットします。このカットで2回失敗してます。襟足がムズかしい。カットは普通のハサ ミで切りました。昔に買った髪すきバサミで切ったらスカスカになりすぎてダメでした。人間サイズに 合わせているので当然といえば当然でした。ハサミでのカットは1000円カットでの手さばきを思い出し ながら毛先をカットしました。斜めにランダムに細かくハサミを入れていくのがコツです。 で、ここまでの髪は、上に被せる長い髪の内側なので、ここで1回固めてしまいます。 今回のウィグで考えているのは、ほぼ固定化された髪型です。フワフワ浮いているものをいちいちセッ トするわけにもいきませんから、なるだけ形を維持できるようにします。 さて、問題は髪の固定化です。次のもを試しました。リンスは人間の髪と違うので軟らかくならず、で もまとめる力はありました。瞬着は量の問題で無理でした。水で薄めたのりは、指で触ったためにでき たカスが毛先から取れずダメでした。タミヤ模型接着済は、塗装後の肌に着いたら目も当てられないと、 途中で怖くなり断念。ニスを塗って固める方法は、全然固まらずこれまたダメでした。 結局、髪の毛のクセも直して、まとめる力もあり、見た目に変化もなく自然で、なおかつ、解そうと思 えば解すことができる素材は、木工用ボンドでした。 5、6年前に買っていた木工用ボンドを引っ張り出し、中身を出したら分離していて、水分とボンドに分 かれていました。ここポイントなんですけど、もともと水で薄めて隙間に浸透させようと考えていたの で、ちょうどいいトロトロ具合だったんだけど、普通に出したときはどれ位薄めればいいのかはまだわ からない。そのままでは使えないと思うが。 今現在ではこんなところです。どれ位の髪の量をどういう配置で着ければいいか、まだ色々考え中です。 特に生際は難問中の難問です。あせってやってもいい結果は出ないので、ひとまずまとめてみました。 |
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〇2014年12月27日 ウィグの続きです。 中間地点の植毛です。
テープを二つ折りにして押さえることにしました。このままボンドを乾燥させます。
この状態で何時間か置いていてもいい感じには折れてくれません。画像では良さそうですがぜんぜん足りません。 1本1本はぜんぜん柔らかいですが、数本集まると硬く一点部分に折れ目を作るのは難しいです。 なにやら不穏な空気が漂い始めます。
後ろ髪は何とかいけましたが、前髪は何か新しい方法を考えなければなりません。額にまで下りてくれません。 作業をしている間も、あちこちフワフワするのがイライラします。このまま作業を続けることに疑問を感じてき ました。根本的な解決策を見つける必要がありそうです。 理想は、表面だけ髪の質感で、1ミリ下は硬いニセモノ的な感じなものです。髪の毛全てを髪の毛のみで作るこ と自体が間違っているのかもしれません。ここまで作ったものを全て破棄することになっても構わない気持ちで、 改めてアイデアを考えたいと思います。 |
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〇2014年12月28 作り直しです。 前髪からやり直しです。
この段階では作った前髪があまり違和感がなかったので、このまま前髪だけは紙で作ってしまおうか と考えていました。
結局前髪も毛で作りました。
実際のウィグだと、ウィグと自毛をヘアブラシで絡めてなじませることで自然に見せるのですが、 今回のものだと、大きさや硬さで、毛と毛の間に絡ませることは無理です。この方法をかなりあて にしていた部分があったので苦戦している状態です。 髪の硬さに関しては、ヘアドライアーが無いのでわからないが、注意書きにはドライヤー不可の文 字があります。ドライヤーがあってもクセを作るための工具が必要です。ラジオペンチの超細いよ うなやつです。実際の髪で使っている髪コテていうんですか? 女性が使ってるやつ。それのミニサ イズでドール用のがあれば、まさにそれが理想です。材質が硬い分、型をつければ形の維持が可能 になります。
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〇2014年12月31日 ウィグが完成しました。 長い戦いが終りました。
3枚目の画像の穴の中につむじの基をボンドで接着します。 画像はありませんが、つむじの基になる部分は厚みがかなりあり、そのままでは使えません。 基の部分に瞬着をたっぷり染み込ませ、毛が抜けないようにして、厚みを削りました。 4枚目の画像は、つむじを接着後形を整え、二枚折りテープで固定したものです。 途中ですが、ここから今回の髪作りのまとめに入ります。
ハサミは普通サイズと小サイズです。 普通サイズのものは、髪の長さや、毛先を自然に見せるために毛をすくのに使います。 小サイズのものは、はむだ毛やハナ毛を切るためのハサミです。毛を1本単位で切るときに使います。前髪の毛先や、 ほつれてまとまらない毛を切るのに使います。 ボロボロの筆と作い古しのハブラシ、ナイフ、ようじは髪を整える毛髪ブラシとして使います。 全体的にはハブラシを使います。かなり毛を絡めますのでデリケートな部分には使いません。 一部分ならボロ筆(毛先が短く立ってるもの)で、更に数本単位ならナイフ、ようじを使います。 その横の道具はコテとして作ったものです。道具としてまだ末完成なのでそんなに活躍してません。 木工用ボンドは髪の隙間に塗りこみ髪型を固定するものです。水では薄めず、そのままをようじに付けて髪の流れに そって着けていきます。髪の表面より内側を浸透させる感じで塗っていきます。 のりは今回重要です。上記の木工用ボンドと同じ使い方をしますが、木工用ボンドより確実で強力です。 そしてこれが一番のポイントで、毛がまとまった根元が無くても、1本1本をまとめた毛だけのものを直接着けること ができます。 十数本の毛をまとめて接着部を切り揃えます。そこにのりをたっぷり着け、机の上に当てナイフを使ってのりを整えま す。直ぐに貼り付けるとバラバラになりますので少し乾燥させてから貼り付けます。 このやり方は一番最初に考えた方法でしたが、それが出来たら理想だが、さすがにそれは無理だろうとはなから試さ なかったものでした。ものすごい遠回りをしました。 透明ボンドは、根元付きの髪の毛を直接頭部に接着する時に使います。時間がたって失敗したと思ってもバリバリ剥 がすことができます。 瞬着は、毛を編んでいる端が、切り取ったときにほつれてバラバラにならないように着けます。 道具としてはこんな感じです。その場の対応で他のものも使います。そこは臨機応変です。 これらを踏まえて続きです。
くしたガードで押さえます。この状態で熱を加えます。ドライヤーは無いので電熱ヒーターのそばで熱を加えます。黒い 髪に水を含ませ、全体に熱をいきわたらせます。このやり方で毛の短い前髪以外はここまで落ち着きます。 この先跳ねた前髪は、根元の束になっている部分をめくってのりを着け、上の画像のようにテープガードで押さえ、乾燥させます。 髪の流れる方向を決め一束ごとに繰り返しつむじを一周します。できたものが下です。
足していきます。 と、こんな感じです。100円ショプでウィグを買ってきて(大型100円ショプでないと無いと思います。コスメコーナーが充実している店です。)それ を分解して、上記の道具とやり方で作れば、ここまでのものが作れます。あとは創意工夫と臨機応変さです。 上の画像は、髪の毛がおかしく写る角度のものは載せていません。その部分を更に修正しました。
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〇2015年1月16日 顔の修正を終え完成しました。 顔の最終調整が終りました。
あとは、自然光での撮影で全体的に光が当たれば、顔の違和感はなくなるんじゃないかと思います。た ぶん。 目の修正は、結構、大手術をしました。そのあとの塗装もなるべくエアブラシを使い、筆塗りも厚みが 出ないように気をつけました。あんにんのときよりは、拡大しても大丈夫だと思います。 髪の毛は、着けたり外したりする際に、やはりセットが崩れます。完全に固定している前髪やサイド はいいのですが、後ろ髪はほつれ毛がパラパラ出てきてイライラします。直しても元の位置に戻らな いものは切ってしまいます。ほつれ毛の固定くらいならヘアスプレーとかのがいいのかな。 こまちゃんとあんにんを作った今の段階では、髪型と同じ形とそれに厚み(ボリューム) を加えた髪の形 を紙で作り、その表面に隙間が気にならないところまで毛を貼り付けていくのがベストの方法だと考え ています。 これであとは撮影です。撮影のタイムリミットは朝9時からの1時間半です。その1回でOKを出したいで す。フォトショップで画質補正をかけるまで、上手くいっているかわからないので、失敗してたらその 1時間半は全て無駄になってしまいます。本当に賭けなんですよね。 |